2016全豪オープンテニス 錦織vs.ジョコビッチ&今後の展望


☆2016年2月2日 WSCスタッフ呟き☆

今年の全豪オープンはジョコビッチの優勝で幕を閉じた。ジョコビッチの強さが際立っていたのだ。しかしジョコビッチも第4試合は苦戦し、セットカウント3-2で辛くも勝ちを手にした。王者は調子が悪くても勝ってくるのだ。その辺が超一流と一流の差なのか。アンフォーストエラーの量産にも関わらず勝ってしまっているのだ。しかしながら、4回戦終了時点では錦織に分があると考えた人も多いのではないだろうか。なぜなら錦織は4回戦は楽勝、セットカウント3-0の省エネ勝利であったからだ。

準々決勝 錦織vs.ジョコビッチ

今回は錦織に勝つチャンスがあると誰しもが思った。しかし結果は残念ながら、ジョコビッチのストレート(セットカウント3-0)勝ちであった。決して錦織の調子が悪かったわけではない。ジョコビッチはビッグサーバーでもなく、どこか特別に優れたショットを持っているわけではないが強い(というより負けないと言った方が正確)。いつの間にか相手の選手は負けているのである。欠点、隙間の無い選手だ。気持ちの切り替えも早い。今回も4回戦はギリギリで薄氷を踏む勝利ではあったが、不利かと思えた準々決勝では錦織を圧倒した。
この試合第一ゲームの第1セットはジョコビッチのサーブから始まる。30-15と錦織が追いこむもジョコビッチにキープされる。第二ゲームはラブゲームで錦織が取り1-1になる。勝負の分かれ目は第6ゲーム、錦織が40-0とリードするもミスが連続してブレークを許す。第9ゲームにも錦織のチャンスがあった。ジョコビッチのダブルフォールトなどで30-0と追い込むも決め手を欠いて落としてしまう。ブレークで4-5となっていたら流れが変わっていたかもしれない。そしてこのゲームはジョコビッチの1ブレークのまま終了した。
第2ゲームは錦織のサーブで始まる。第1セットの敗戦が尾を引いたのかミスが目立つ。いきなりブレークをされてしまう。第2ゲームでブレークバックのチャンスをつかむがジョコビッチに粘られてキープされる。この当たりから錦織の集中力が切れたのか、立て続けにポイントを取られて結局は2ブレークダウンの6-2でジョコビッチが取る。
第3セット前に錦織はメディカルタイムアウトを取る。太もものあたりをテーピング、またしても体調不良かと思いきや、大した事は無かったようである。このセットで錦織にチャンスが訪れる、第2セットのジョコビッチをブレークし2-0.続く錦織のサーブがまさしくこの日の分かれ目であった。大切なこのゲームをブレークバックされてしまう。結局ブレーク合戦の第3セットは6-4でジョコビッチが取り、ゲームカウント3-0でジョコビッチが勝った。
錦織のショットの正確さが出なかった試合であったが、それほど悪い試合ではなかったので次には繋がりそうである。

世界ランキングTOP10の差はあるのか?

ATPランキングを単純に1位から10位までを見ていても分からないのである。各選手の獲得ポイントに注目しよう。1位のジョコビッチ選手は16000ポイント(以下ポイントは概略数字で表現する)、2位のマレーは9000ポイントである。この差は大きすぎるのだ。まさしく1強時代と言える。3位のフェデラーは僅差でマレーに続いている。2位と3位はいつ逆転してもおかしくはないのだ。3位と4位(6000ポイント)には大きな差がある。4位と5位(4800ポイント)にも差があるのだ。ところが5位から8位まではほとんど差が無いのである。8位(4200ポイント)と9位(2800ポイント)にも「大きな川」が流れていて簡単には渡れない。現時点で錦織は少しの頑張り(全仏オープンやウィンブルドン、全米オープンでベスト4~8)でランキング5位まではいけそうである。優勝すれば4位まで射程範囲である。

錦織圭の課題はどこにある?

3回戦のガルシアロペス戦、第2セット、および準々決勝のジョコビッチ戦、第3セット
錦織はメディカルタイムアウトを取ってテーピング(腕や足)をしている。錦織の改善すべき点は「健康管理」である。技術的には遜色はないと見える。ただファーストサーブの確率はもっと上げてほしいものだ。ストロークは超一流である。メンタルも鍛え方が不十分のようである。マイケルチャンがコーチになって技術面やメンタルコントロールは向上したのだが、メンタル面はいまだ超一流には及ばない。もっと自信を持って勝負していただきたい。錦織のコメントにあったのだが、勝つためには、もっと何かしなければいけない、何か変えないと勝てないと思う事は、すでに相手の術中にはまり込んでいるのである。「全力でやれば何も変えなくても勝てる」と思えば、ジョコビッチにも勝てるのだ。
錦織の課題は「サーブの精度」「健康管理」「メンタル強化、自信を持つ」この3つではないだろうか。今年度のグランドスラムやATP500、1000での活躍を期待したい。絶対やってくれるはずだ。

<2016全豪オープン 錦織圭選手結果(3回戦・4回戦)

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