2018 ビッグ・ロンドン・ダービーアーセナル対チェルシー

ビッグロンドンダービー


プレミアリーグ第22節。アーセナルの本拠地エミレーツ・スタジアムで行われたビッグロンドンダービー、アーセナル対チェルシーの一戦は2-2の引き分けに終わった。

ビッグロンドンダービー

同じロンドンを拠点としながらも、地区もサポーターの層も異なるアーセナルとチェルシー。

かつてはそれほど直接的なライバル関係があったわけではなかったが、2000年代に入りチェルシーがメガクラブの仲間入りを果たしたことで、ロンドン、イングランドのみならずヨーロッパを代表するクラブの直接対決としてライバル関係が激化。熱い試合を見せるカードとして注目を集める。

ちなみにこの試合の1週間後にはカラバオ・カップ(リーグ・カップ)準々決勝ファーストレグで再びこの両チームの対戦が決まっている。

両チーム共に「絶対に負けられない」一戦

アーセナルが5位、チェルシーが2位で迎えたこの一戦。2連勝中のチェルシーに対し、アーセナルは直近6試合で4つの引き分けを喫し勝ちきれない試合が続くが、上位争いに留まるためには両チーム共に「絶対に負けられない」一戦となる。

ホーム、アーセナルの布陣は3-4-2-1。守護神チェフの前に、チェンバース、ムスタフィ、ホールディングの3バックが並び、両サイドにはベジェリンとナイルズ。中盤センターにはジャカとウィルシャー。前線はラカゼットの下にサンチェスとエジルが入る。

一方のチェルシーは3-5-2。ゴールマウスを守るクルトワ。3バックにはアスピリクエタ、クリステンセン、ケーヒルが入り、モーゼスとマルコス・アロンソの両サイド。中盤はバカヨコ、カンテ、セスク・ファブレガスでトライアングルが構成され、前線にはアルバロ・モラタ、エデン・アザールが入る。

両守護神がゴールマウスに立ちはだかる

試合は立ち上がりから激しく両者がぶつかり合う展開となるが、最初に大きなチャンスを作ったのはチェルシー。13分、右サイドからディフェンスラインの裏へ蹴り込んだロングパスに対してアーセナルディフェンスが対応ミス。モラタが抜け出しGKと1対1のチャンスを迎えるが、シュートは枠外に。絶好のチャンスをフイにしてしまう。
するとその4分後にはアーセナルも反撃。左サイドをナイルズのドリブルからエジル、サンチェスによる細かいコンビネーションで突破するとサンチェスがシュートを放つが、クルトワがスーパーセーブ。ゴールネットを揺らすことができなかった。

その後も両チーム共に相手ゴールに迫る場面を作るが、チェフ、クルトワの両守護神がゴールを許さない。前半終了間際にはカンテのボール奪取からセスクがチャンスをつかむがシュートは枠をはずれ、後半立ち上がりにはサンチェスのパスからラカゼットが決定機を迎えるもクルトワがセーブした。

ウィルシャー復活のゴール

試合が動いたのは63分。セットプレーの流れからアーセナルが入れた縦パスがモラタの足にあたってこぼれるとそこに飛び込んだのがウィルシャー。左足で放ったシュートはニアサイドを打ち抜き、アーセナルが先制する。
これはウィルシャーにとって2015年5月のWBA戦以来、約2年半ぶりのゴール。
これまで何度も怪我に苦しんできた天才の完全復活を思わせるゴールとなった。

先制したアーセナルは直後にもラカゼットがチャンスを迎えるが、アスピリクエタが落ち着いた対応を見せシュートは枠外に。リードを広げることができなかった。

チェルシーが逆転に成功

するとその3分後。アザールのドリブルに対して思わず足を出してしまったベジェリンがボックス内でアザールを蹴ってしまう形となりPK。これをアザール本人が落ち着いて決め67分にチェルシーが同点に追いつく。
同点に追いついたことで俄然勢いを増したチェルシーは、中盤でセスクがジャカからボールを奪うと一気にモラタを背後に走らせるが、モラタは決めることが出来ない。
しかし84分。チェルシーは、直前にアザールに代わって入ったウィリアンのサイドチェンジがこちらも途中出場のザッパコスタへ渡るとナイルズをかわして鋭いクロス。
このボールにマルコス・アロンソが飛び込み、チェルシーが逆転に成功する。

ベジェリン汚名返上の一撃

84分の逆転ゴールということで勝敗は決したかと思われたが、アディショナルタイムにドラマが起こる。
90+2分。最終ラインから上がってきたムスタフィの入れたクロスを一度はチェルシーが跳ね返すものの、そのこぼれ球に反応したのはベジェリン。ダイレクトで放ったシュートはゴールネットを揺らし、アーセナルが2-2の同点に追いついた。
PKを与えてしまったベジェリンにとってまさに汚名返上の同点ゴールとなった。

土壇場で同点に追いつかれたチェルシーは最後までアーセナルゴールに迫るものの、モラタが迎えた決定機はチェフがセーブし、さらにそのこぼれ球を狙ったザッパコスタのシュートもクロスバー直撃。
モラタはこの試合であった3度の1対1のチャンスを全て決めることができなかった。

このまま試合は終了となりプレミアリーグ52回目のビッグロンドンダービーは2-2の引き分け。
リーグ戦で前回対戦となる第5節の試合でも0-0。開幕直前のコミュニティーシールドでも延長120分を戦い1-1の引き分けに終わっているため、今季のビッグロンドンダービーは3試合連続で引き分けに終わることとなった。

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