ミラノ・ダービー


☆2016年7月23日 WSCスタッフ呟き☆

イタリアセリエAのACミラン対インテル・ミラノの間で繰り広げられるミラノダービー。この2つのクラブは元々同じ1つのクラブだった。

ACミランから独立したインテル・ミラノ

イギリス人により世界各地にもたらされたサッカーはイタリアではトリノを中心に広まりイタリア最古のクラブ、インターナショナル・フットボール・クラブが1891年に設立される。
そしてその7年後の1898年にイタリア選手権が開催されることになるが、インターナショナル・フットボール・クラブの創設メンバーだった1人で後に初代ミランのキャプテンのイギリス人ハーバード・キルピンはそれ以前にミラノに転勤となっておりそのイタリア選手権に参加できなかった。それをきっかけにハーバード・キルピンは同じくイギリス人で初代会長となるアルフレッド・エドワーズと共にミラノ初のクラブ、ミラン・クリケット・アンド・フットボール・クラブを設立。これが両チームのルーツとなる。
本国イギリスでもプレー経験があったハーバード・キルピンを中心としたミラン・クリケット・アンド・フットボール・クラブは設立直後から急速に強くなっていき、設立から2年後には現存するイタリア最古のクラブジェノアを下しイタリア選手権に優勝、06年。07年にも連覇を果たす事となる。
しかしその翌年の1908年、イタリアサッカー連盟はイタリア選手権に外国人選手のプレーを禁じる決定を下す。この決定に際してミラン・クリケット・アンド・フットボール・クラブは抗議しイタリア選手権をボイコットし、既にベテランとなっていたハーバード・キルピンもクラブを去る事になるが、これを機にクラブ内で外国人選手の加入問題をめぐってクラブ内で対立が起こる。主流派となったのはこのイタリアサッカー連盟の決定に一定の理解を感じていた勢力で、それが後にACミランと名を変え、非主流派となった外国人選手の獲得に積極的な姿勢を見せる勢力はクラブを飛び出し、英語で言うインターナショナルを名につけたインテルナツィオナーレ・ミラノ(インテル・ミラノ)として新しいクラブを立ち上げる事となる。
ACミランとインテル・ミラノの2クラブは同じ都市、同じルーツを持ちながらもその哲学の違いから分裂した2クラブで、それ故同じスタジアムを使用し、設立当初からライバル関係が成立していた。

対戦成績ではインテルがリード

最初の対戦は分裂直後の1908/09シーズン。この試合ではミランが3-2で勝利。この最初の対戦を含めてACミランが5連勝とリードを広げるが1910/11シーズンにインテルが初勝利。
その前年にインテルはスクデッドを獲得している一方、ACミランは分裂前の1907/08シーズン以降目立った成績を残せてなくなっており両者の対戦成績はスグに逆転。
さらにインテルはユースからイタリア史上最高の選手とも言われるジュゼッペ・メアッツァがトップ昇格。彼を中心としたインテルは1929年に現在の形式となったセリエAの初代優勝を果たす等インテルの黄金時代を迎えた事もあってミラノといえばインテルという時代が続いた。
その後ミランも1949年にロンドンオリンピック優勝メンバーであるグンナー・グレン、グンナー・ノルダール、ニルス・リードホルムのスウェーデン人3人を獲得。
しかし1960年代にインテルはイタリアのチームとして初のインターコンチネンタルカップ(現在のクラブワールドカップ)を獲得するなど、グランデ・インテルと呼ばれるインテル2度目の黄金期を迎え、国内でもユベントスに次いで2チーム目の10度優勝したチームにだけがつける事ができる星をユニフォームにつけるチームとなっている。
1980年代に入るとベルルスコーニがACミランを買収。2シーズン目にはアリゴ・サッキが監督に就任し、サッカー界の大革命となるプレッシングサッカーで世界を席巻。インテルが苦悩のシーズンを送る一方ミランは黄金期を迎え、世界を代表するビッグクラブに。
しかし2000後半にマンチーニ、モウリーニョにより再びインテルはタイトルを取れるチームと復活した。
1929年から始まったセリエAではこれまで164回対戦し、インテルが61勝、ミランが51勝、引分けが52。その他の大会も含めた公式戦全成績でも216回対戦し、インテルが77勝、ミランが75勝、引分けが64といずれもインテルが一歩リード。
しかしチャンピオンズリーグでは過去4回対戦しミランが2勝、引分けが2とインテルはミランに勝利した事がありません。

世界唯一の特徴を持つローカルダービー

同じ街や隣接した街のチームによる対戦となるローカルダービーはヨーロッパのほとんど全ての国や地域で行われています。
その中でも同じスタジアムをホームスタジアムとする両チームによる対戦というあまり他に例を見ない特徴がありますが、それ以上に特徴的なのが両チームともUEFAチャンピオンズリーグの優勝経験があるということ。
ロンドンのクラブではチェルシーが1度優勝したのみで、マドリードではアトレティコ・マドリードも後1歩の所で優勝を逃し、マンチェスター・シティもスポルティング・リスボンも優勝経験がないので、現在唯一のチャンピオンズリーグ優勝クラブによるローカルダービーとなっており、ヨーロッパ最大規模のローカルダービーとも言えます。

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