代表キャプテン長谷部誠はドイツでも絶大な信頼を獲得


☆2016年2月6日 WSCスタッフ呟き☆

ドイツ・ブンデスリーガ、フランクフルトに所属し、日本代表キャプテンでもある長谷部誠選手が、1月30日のアウクスブルク戦でブンデスリーガ通算200試合出場を果たした。200試合という大台を突破したのは、234試合出場の奥寺康彦氏に続いて、日本人選手で2番目である。
試合後のインタビューでは「試合前から気負うことはなかった」「普通にやっていたら、いつの間にかそういう数字になっていた」とコメント。8チームに計11人もの日本人選手が所属しているブンデスリーガだけに、「そういうのが当たり前になってくるという感覚」があると話している。

将来は日本人初のブンデスリーガ監督も!?

1月5日ビルト紙のインタビューで、フランクフルトのスポーツディレクター、ブルーノ・ヒュブナー氏は以下のように語っている。
「マコトと契約延長の話し合いを始めている。彼には特別な価値があり、引退後に私たちのクラブであるポジションを用意することを考えている。日本市場は私たちにとって重要。彼は日本でベッケンバウアーのような存在。引退後、長いスパンで共に働くことを想像している」
フランクフルトと長谷部の契約は今年6月までだが、レギュラーとして活躍しておりクラブは契約延長を希望している。さらに、そこで契約の中に引退後の役職も盛り込もうと考えているのだ。

長谷部選手がドイツでも信頼されるわけとは?

これまでヨーロッパの4大リーグで選手として活躍したあと、クラブから声がかかって役職を得た日本人はいない。長谷部選手はその第1号になるかもしれないのだ。
2007年から13年途中まで在籍していたヴォルフスブルクでも、引退後の長谷部選手をクラブスタッフとして獲得したいという話が出ているらしい。なぜ彼は日本のみならずドイツでもこのように信頼を得ているのだろうか?

コミュニケーション能力の重要性

やはり、ここでも大切になってくるのはコミュニケーション能力。今、ドイツでプレーする日本人選手の中で最もドイツ語が堪能なのは長谷部選手と言われている。積極的に若手に声をかけ、移動の間でもスタッフと話したりする。また、練習前には、昨季ブンデスリーガ得点王のマイアー選手が向こうから長谷部選手にが近づいて話をしに来たりもする。そんな光景からは「外国人助っ人」という少し距離のある特別な存在ではなく、チームの中心として溶け込んでいる様子がよく分かる。
インタビューのちょっとした受け答えでも、ドイツの文化を考慮したうえで、そこに自分の思いを重ね合わせてしゃべるようにしている、という。国によって受け取られ方のニュアンスが変わってしまうことを理解し、他の選手のインタビューを見て、ドイツではどんな姿勢や発言が受け入れられるかを考えてきたという。
「試合後はファンへのメッセージを意識し、自分たちの良くなかったことをしっかり言いながら、次の試合に向けてポジティブな方向に持って行く。ネガティブに言いすぎるのは、ドイツでは良くないインタビューと見なされます」とも話しており、ドイツ人のファンが自分の発言をどう捉えるのか、チームの中心選手として意識していることがよく分かる。

本領発揮!?「真面目さ」の重要性

長谷部選手の経験から、日本人が海外に出るとついいい加減になってしまうところがあるという。周りの現地人に合わせてしまうということだろうか?言葉が不十分だと細かいところまで伝えられず、まぁいいか、となってしまう部分もあるだろう。
しかし、長谷部選手は、とにかく真面目に丁寧に接していれば自ずと信頼を得られると思う、と話している。これは、海外で活躍する日本人ビジネスマンにも当てはまることかもしれない。彼のようにコミュニケーション能力もサッカーのスキルも高く、経験も豊富な日本人選手がもっと増えれば、いずれ欧州のリーグでフロントスタッフとして、あるいはコーチや監督として活躍できる日が来るのもそう遠くはないかもしれない。また、海外のクラブで得た経験を日本に持ち帰ることができれば、Jリーグや日本代表の運営のレベルアップにも必ずつながるだろう。

<2016年2月28日予定キャピタルワンカップ決勝
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