プレミアリーグ第19節に開催されたオールド・トラフォードでのマンチェスター・ユナイテッド対チェルシーは0-0のスコアレスドロー。オールド・トラフォードでのこの対戦は3シーズン連続で引き分けとなった。
イングランドの伝統であるボクシングデーに開催された第18節から中1日というハードスケジュールで行われた第19節。
マンチェスター・ユナイテッドは1961年以来のシーズン中公式戦4連敗中という事もあり、本拠地ながらも試合開始前にはルイス・ファン・ハール監督に対してサポーターから辛辣なメッセージを込めたフラッグも掲げられているというピリピリムードの中での一戦。この試合でファン・ハールが採用したのは4-2-3-1。左右のSBにはダルミアンとアシュリー・ヤング、中盤センターには出場停止明けのシュバインシュタイガーとシュナイデルラン、2列目にはマーシャル、エレーラ、マタが入り1トップにはルーニーが入る布陣となっている。
一方ついにモウリーニョ監督が解任され、ファン・ハールと同じくオランダ人のフース・ヒディンクが就任して2試合目のチェルシーも4-2-3-1を採用。テリーとゾウマのCB、中盤センターにはマティッチとミケル、2列目にはペドロ、オスカル、ウィリアンが入り、ディエゴ・コスタが出場停止の為、1トップにはアザールが入っている。
試合の立ち上がりから公式戦4連敗中と後が無いマンチェスター・ユナイテッドが積極的なプレーを見せ、開始3分にはスローインからの展開でシュートコースが一瞬空いた隙を逃さずマタがミドルシュートを放ちクロスバー直撃する。しかし負けられないのはここ2試合1勝1分ながらも順位がまだ15位のチェルシーも同じ。直後の4分にはチェルシーがCKからテリーがヘディングで合わせるも調子を落とすチームの中で唯一好調のデ・ヘアがスーパーセーブでボールをはじき出す。
マンチェスター・ユナイテッドで違いを見せようと奮闘したのが左サイドのマーシャル。16分には左サイドからカットインしてシュートを放つも今度はポストに防がれる。
前半はマンチェスター・ユナイテッドがかなり前掛かりになっており、ボールをもって攻めこむ場面は多いのだがチームとしてのバランスは整っていないのでチェルシーがカウンターを見せる場面も続くが、チェルシーにもミスが多く攻め切れない。
しかし両チーム共にうまくいかない中でも何とかしようという意思や闘志は感じられ、球際での激しいプレーが続いていく。
0-0のまま迎えた後半立ち上がりの48分。アザールが好調時を思いおこさせるようなドリブルからタイミングよくペドロにパスを通しペドロの左足シュート、そしてそのこぼれ球をアスピリクエタが詰めるもデ・ヘアが2本続けてのスーパーセーブでゴールを守ると、今シーズン不安定なプレーも多かったがこの試合ではデ・ヘアに引っ張られるように好調時のプレーを見せていたチェルシーのGKクルトワも活躍。57分に左サイドをダルミアンとのコンビで崩したマーシャルからのクロスに飛び込んだエレーラのシュートを完璧にブロックしてみせる。
両チーム共に決定機を作るもののGKによるスーパーセーブが続きどちらもゴールを決められない。
さらに62分にはマンチェスター・ユナイテッドのCKをはね返したチェルシーがカウンターを見せマティッチがGKと1対1になるもデ・ヘアの存在感の前にシュートは大きく枠を外れてしまう。
その後もマンチェスター・ユナイテッドは中盤でボールを持ち、後半の中頃からは徐々に試合をコントロール出来るようになっていったが、途中投入されたデパイはあまり存在感を出せずクルトワの壁は崩せないまま試合は終了。0-0のスコアレスドローに終わった。
この引き分けで一応は公式戦の連敗を4で止めたマンチェスター・ユナイテッド。とはいえ勝利は11/21の第13節ワトフォード戦より遠ざかっており厳しい状況に変わりはない。
しかし相手がチェルシーだった事や、この試合で見せた積極的なプレーもあってか、試合終了後のオールド・トラフォードでは拍手を送るマンチェスター・ユナイテッドサポーターの姿も多く見られた。