日本では、男女のシングルが圧倒的な人気を誇るフィギュアスケート。
男子シングルから高橋大輔選手が転向したことでアイスダンスにも注目が集まり始めました。
そして、アクロバティックなスロー技やリフトが魅力で、中国やロシアが強い印象のあるペア。
過去には全日本選手権に出場者がいない年もあったくらいですが、三浦璃来/木原龍一組が今シーズン初めてグランプリファイナルへの進出を果たし(コロナウイルスの影響で大会自体は中止)、北京オリンピックでも団体でペアの2位に入るなど、期待を集めています。
お互いにペア解消などを経て今のパートナーと巡り会い、ペア強豪国でもあるカナダを拠点に活動を続けてきました。
男性が女性を持ち上げたり投げたりするアクロバティックな競技のため、木原選手には肉体改造の苦労も。
「日本人ペア」の前置きが付くのには、日本の女性選手が外国人選手とペアを組んで活路を見いだしてきた歴史から。
外国人男性と日本人女性のペアであれば、2006年トリノ五輪に米国代表として出場し、7位に入賞した井上怜奈さん、2010年バンクーバー五輪にロシア代表として4位に入った川口悠子さんなどが実績を残しています。
団体戦では、自己ベストをたたき出し、フリー出場の5組中2位。19歳の三浦選手は言葉にならないほど「楽しい」と大舞台にもプレッシャーはないようです。
個人戦でも日本のフィギュアペアの歴史を塗り替えてくれること、間違いなしですね!
さて、にわかファンには一見分かりにくいペアとアイスダンスの違いは何でしょうか?
最大の違いは「ジャンプ」。アイスダンスはシングル(1回転)ジャンプを除いて、ジャンプをプログラムに含まなくてもいい唯一の種目です。
ほかにも、スロージャンプ、ツイストリフト、オーバーヘッドリフトなど、アクロバティックな技はアイスダンスでは禁止されていて、ふたりの選手が長時間距離をとった演技をすることも禁止、さらに腕2本分伸ばした距離以上に離れてもいけないというルールがあります。
また、アイスダンスのショートに当たるリズムダンスでは、ISUが毎シーズン特定のテーマを指定。2021/22シーズンは、ブルースとストリートダンスが必須要素に指定されています。
アイスダンスの選手たちは、ISUの必須要件に合わせて、パターンと呼ばれる規定(コンパルソリー)の要素をプログラムに組み込み、シーズン毎に異なるダンスやステップシークエンス、スピンなどを演技しなければいけません。
音楽もシーズン毎に要求されるテーマ、リズム、テンポに合わせたものである必要があります。
一方のペアでは、距離をとった要素をプログラムにどれだけ取り入れても、規程違反にはならず、音楽やリズムの規定も一切ありません。
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