体操男子、内村航平選手が引退会見を開き、その黄金のキャリアに終止符を打ちました。
19歳、2008年北京オリンピックの団体&個人総合銀メダルに始まり、2012年ロンドン五輪、2016年リオ五輪での個人総合連覇、2009年から2015年までの世界選手権個人総合6連覇など世界大会で積み上げたメダルは伝統ある体操ニッポンで史上最多の計28個。
国際大会で最初に技を成功させると、技に自分の名前が付けられる体操競技。
「ウチムラ」という技を残していないことについては、披露していたら名前が付いていた技はあるけれども、個人総合でトップを維持するためにその技は必要なかったからやらなかった、と明かしました。
2013年に白井健三選手が世界選手権で成功させ、「シライ/キムヒフン」の名前が付いたユルチェンコ3回ひねりも2010年の国内大会で内村選手が先に成功させていましたが、個人総合でTOPを狙う上では安定して成功させるのは難しいと判断したそうです。
体操男子全6種目で難度表に記載されている800を超える技のうち、内村選手は約500の技をマスターしているといいます。
トップ選手でも300程度という中で群を抜く数字ですが、その原点は「蹴上がり」とのこと。幼稚園のころにその技ができるようになった感動が次々と高難度の技を習得していった原動力になっています。
後輩たちに対しては、「大谷翔平くん、羽生(結弦)くんも人間としての考え方が素晴らしいからこそ国民の支持があるんだろうし、そういうアスリートが本物なのかなって思う。高い人間性をもった人間に体操選手としてあってほしいと僕は思いますね」とメッセージを残しました。
これから指導者としても、ひとつひとつの技を極めていく喜びや美しい体操を継承していく選手を育てていくのだろうな、と期待されますね。