※イメージ画像
2017年3月29日から4月2日の5日間、フィランドのヘルシンキにてフィギュアスケート世界選手権が行われました。日本男子は羽生結弦選手・宇野昌磨選手・田中刑事選手。女子は三原舞依選手・樋口新葉選手そして宮原選手の欠場に伴い急遽本郷理華選手が出場となりました。ペアは須藤澄玲選手とフランシス・ブードロ オデ選手。アイスダンスは、村元哉中選手とクリス・リード選手が出場となったのであります。ここでは主にシングル男子、選手特に羽生選手に焦点をあてていきます。
今季から滑走順は抽選となりました。羽生選手は最終グループの第一滑走。宇野選手はその次、田中選手はその前のグループの滑走となりました。滑走順は選手によって得意・不得意の順番があり、そこで左右される可能性もあり得ます。
試合前に行う6分間練習が終わったあと、いよいよ羽生選手の出番、プリンスの『Let’s Go Crazy』の曲が流れます。まずは冒頭の4Lo(ループ)は綺麗に着氷。そして次は4S(サルコウ)と2T(トウループ)のコンビネーション。しかしサルコウのあとに膝を突いてしまい、何とかそれでも2Tをつけます。しかし残念ながらジャッジにこれは認定されず。
その他のスピンやステップはどれも素晴らしく一番高いレベル4を獲得しました。そして意外なことに名前をコールされてから30秒以内に演技する位置につかなくてはなりません。30秒をすぎると減点されてしまいます。
今回羽生選手は30秒過ぎてしまい、減点となってしまいました。その結果SP(ショート)の結果は、98.39。この時点で2位。1位は中国のボーヤン・ジン選手。次の宇野選手が100点台をだし3位に。続くカナダのパトリックチャン選手そしてスペインのハビエル・フェルナンデス選手にもぬかれ5位という結果に終わりました。
1日おいてのFS(フリー)当日。羽生選手の滑走順は、SP同様最終滑走の一番。6分間練習からすごく集中していて誰もよせつけないようなオーラが見えた気がします。FSプログラムは、久石譲氏の『Hope&Legacy(ホープアンドレガシー)』。
曲がかかり演技が始まると、観客も集中して静まります。冒頭の4Lo成功。ジャンプがきまると、観客からたくさんの拍手が響き渡ります。次に4S。これも綺麗に着氷。曲調に乗ってスピードも加速していきます。そして3F(フリップ)。これも決めました。だんだん会場のボルテージがあがっていきます。
次のジャンプは今シーズンまだ決まっていなく鬼門といわれている4Sと3T。観客は祈るような気持ちで観ていました。そしてついについに決めたのです。
観客から歓声の嵐。このとき手や体が震えていた人もいたにではないでしょうか。そのくらい、すごい高難度の技なんです。
感動が続いている中次のジャンプである4Tと続く全てのジャンプをノーミスですべりきった羽生選手。キス・アンド・クライ(選手とコーチが得点を待つ場所)にて得点結果をまちます。223.20点という驚く点数が出ました。点数が出た瞬間涙をこぼすが「泣いてない」という羽生選手の姿がありました。隣にいたブライアン・オーサーコーチはその姿を見て、にこやかな表情を浮かべたのがとても印象的。
SPとFSあわせて321.59という得点で羽生選手が優勝しました。SPのとき首位だったハビエル・フェルナンデス選手とは10点ほどの差があり、優勝は無理だろうといわれる中、それを見事にひっくり返しました。
今回の男子の試合は、本当に最後の最後まで誰が優勝するかわからないといった試合、そしてこのようなレベルの高い試合はなかなかありません。歴史に刻まれる試合になることでしょう。
<フィギュアスケート歴史やルール クリック |